相続税の延滞税計算ツール

相続税を納期限までに納付できなかった場合にかかる延滞税を、 法定納期限と実際の納付日を入力するだけで自動計算します。 実務で適用される特例税率(令和8年:2ヶ月以内 年2.8%、 2ヶ月超 年9.1%)に対応し、 期間が年をまたぐ場合は年ごとの税率を自動で切り替えて計算します。

延滞税計算ツール

法定納期限と納付日、本税額を入力して「計算する」を押してください。

延滞している相続税の本税額です。加算税は含めません。

相続税は「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月後」が納期限です。

実際に納付した日、またはこれから納付する予定の日を入力してください。

延滞税額

100円未満切捨て後の納付額

-

⚠ この計算結果はあくまで概算です。正確な金額は税理士にご相談ください。税制改正により計算方法が変更される場合があります。

📖 計算の根拠

このツールが適用している計算ルール

  1. 本税額の1万円未満を切り捨てて計算基礎とします(1万円未満なら延滞税は発生しません)。
  2. 本税額 × 税率 × 日数 ÷ 365日で算出します(うるう年も365日で計算)。
  3. 納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは低い税率、その翌日以後は高い税率を適用します。
  4. 税率は暦年ごとに改定されるため、期間が年をまたぐ場合は年ごとに税率を切り替えて計算します。
  5. 算出額が1,000円未満なら全額切捨て(納付不要)、1,000円以上なら100円未満を切捨てます。

出典(一次情報)

上記の一次情報にもとづき、税率を 2026-08-01 に照合しています。 税制改正により変更される場合がありますので、最終的な金額は必ず一次情報または税理士にご確認ください。

延滞税とは(発生する条件)

延滞税は、税金を法定納期限までに納付しなかった場合に、 納付が遅れた日数に応じて自動的に課される税金です。性質としては利息にあたり、 申告内容の誤りに対する制裁である加算税とは別のものです。

相続税の場合、次のようなケースで延滞税が発生します。

  • 申告はしたが、納期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月)までに納付しなかった
  • 期限後に申告した(期限後申告)
  • 修正申告や更正により、追加で納付すべき税額が発生した

⚠ 延滞税は本税にのみかかります

延滞税は本税(相続税そのもの)に対して課され、加算税に対しては課されません。 また、延滞税・加算税とも相続税の債務控除の対象にはなりません

延滞税の税率一覧【年別】

国税通則法の本則では、延滞税の割合は「2ヶ月以内 年7.3%/2ヶ月超 年14.6%」と定められています。 しかし実際には、市中金利に連動する延滞税特例基準割合にもとづく特例税率が毎年適用されており、 本則の税率が適用されることは事実上ありません。

❗ よくある誤解

「延滞税は年14.6%」と説明しているサイトや計算ツールが多くありますが、 これは本則の数字です。実際に適用される税率は下表のとおり大幅に低く、 本則で計算すると実際の2倍近い金額になってしまいます。

適用される年納期限の翌日から2ヶ月以内2ヶ月を経過した日以後
令和8年(2026年)年2.8%年9.1%
令和7年(2025年)年2.4%年8.7%
令和6年(2024年)年2.4%年8.7%
令和5年(2023年)年2.4%年8.7%
令和4年(2022年)年2.4%年8.7%
令和3年(2021年)年2.5%年8.8%
令和2年(2020年)年2.6%年8.9%

※税率はその日が属する暦年で判定します。たとえば納期限が11月で翌年3月に納付した場合、 年内の期間と翌年の期間で異なる税率が適用されます。上の計算ツールはこれを自動で処理します。

延滞税の計算方法

延滞税は次の式で計算します。

延滞税額 = 本税額(※1) × 税率 × 延滞日数 ÷ 365日

※1 本税額は1万円未満を切り捨てた金額
※算出額は100円未満を切り捨て。1,000円未満の場合は納付不要

期間を2つに分ける

延滞税は、納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までと、 その翌日以後で税率が変わります。 「2ヶ月」は日数ではなく暦の応当日で数えます(納期限が11月15日なら、2ヶ月を経過する日は翌年1月15日)。 応当日がない場合はその月の末日となります。

年をまたぐ場合

延滞税の税率は毎年1月1日に改定されます。そのため、延滞期間が年をまたぐ場合は、 期間を暦年で区切って、それぞれの年の税率を適用します。 この処理を省略している計算ツールも多いため、複数年にわたる延滞では注意が必要です。

計算例

本税額500万円、法定納期限が2025年11月15日、納付日が2026年3月15日のケースで計算してみます。

期間区分日数税率延滞税
2025/11/16〜2025/12/312ヶ月以内46日年2.4%15,123円
2026/1/1〜2026/1/152ヶ月以内15日年2.8%5,753円
2026/1/16〜2026/3/152ヶ月超59日年9.1%73,548円
合計120日94,400円

合計は94,424円ですが、100円未満を切り捨てて94,400円が納付すべき延滞税額となります。

💡 本則で計算するとどうなるか

同じ条件を本則の税率(7.3%/14.6%)で計算すると180,000円となり、 実際の約1.9倍になります。古い計算ツールや本則しか説明していない記事の数字には注意してください。

贈与税の延滞税も同じ方法で計算できます

延滞税の税率と計算方法は国税通則法で定められた国税共通のルールです。 相続税・贈与税・所得税・法人税のいずれでも同じ税率が適用されるため、 上の計算ツールは贈与税の延滞税にもそのまま使えます。 本税額に贈与税額を入力してください。

違うのは法定納期限だけです。

税目法定申告期限法定納期限
相続税相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内申告期限と同じ
贈与税贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日3月15日

⚠ 贈与税は「もらった年の翌年3月15日」が起点

たとえば2025年中に贈与を受けた場合、納期限は2026年3月15日です。 計算ツールの「法定納期限」にはこの日付を入力してください。 なお、暦年贈与の基礎控除110万円以下であれば申告自体が不要なため、延滞税も発生しません。 詳しくは暦年贈与のページをご覧ください。

延滞税を抑える方法

  1. とにかく早く納付する ── 延滞税は日割りで増え続けます。全額が用意できなくても、 一部だけ先に納付すれば残額に対してのみ延滞税がかかるため、総額を抑えられます。
  2. 2ヶ月以内に納付する ── 納期限から2ヶ月を超えると税率が約3倍に跳ね上がります。 この2ヶ月のラインが最も大きな分岐点です。
  3. 延納・物納を検討する ── 資金不足が見込まれる場合は、申告期限までに 延納・物納の申請を行うことで延滞税ではなく利子税の扱いとなり、 負担を軽減できる場合があります。
  4. 調査の通知前に自主的に申告する ── 無申告や過少申告がある場合、税務調査の通知を受ける前に自主的に申告すれば 加算税が大幅に軽くなります。

よくある質問

相続税の延滞税の計算方法は?
延滞税は「本税額 × 税率 × 延滞日数 ÷ 365日」で計算します。本税額は1万円未満を切り捨てた金額を使い、税率は納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までと、それ以降で変わります。令和8年の場合、2ヶ月以内は年2.8%、2ヶ月超は年9.1%です。なお税率は暦年ごとに改定されるため、期間が年をまたぐ場合はその年ごとの税率を適用します。
相続税の納付に1日遅れると何パーセントかかりますか?
令和8年に納期限を迎えるものであれば、納期限の翌日から2ヶ月以内は年2.8%の割合です。1日だけの遅れであれば「本税額 × 2.8% ÷ 365日」となり、金額はごくわずかです。ただし算出された延滞税が1,000円未満の場合は納付の必要がありません。
延滞税は最大でいくらまでかかりますか?
延滞税に上限額はなく、完納するまで日数に応じて増え続けます。ただし、期限内に申告書を提出していて、法定申告期限から1年を経過した後に修正申告や更正があった場合には、一定の期間を計算から除外する「除算期間」の特例があります(国税通則法61条)。この特例が使えるかどうかは個別の事情によるため、税理士にご確認ください。
延滞税が0円と表示されるのはなぜですか?
延滞税には2つの切捨てルールがあります。1つは計算基礎となる本税額の1万円未満を切り捨てること、もう1つは算出された延滞税額が1,000円未満の場合は全額を切り捨てること(納付不要)です。本税額が1万円未満の場合や、遅延日数がごく短い場合は、この結果0円となります。
延滞税と加算税は何が違いますか?
延滞税は「納付が遅れたこと」に対して日数に応じてかかる、利息にあたる税金です。一方、加算税は「申告をしなかった」「申告額が少なかった」といった申告義務違反に対する制裁として課される税金で、無申告加算税・過少申告加算税・重加算税があります。両方が同時に課されることもあり、延滞税は本税に対してのみかかり、加算税に対しては延滞税はかかりません。
延滞税は経費(債務控除)にできますか?
いいえ。延滞税や加算税といった附帯税は、相続税の債務控除の対象にはなりません。また、法人の場合も損金に算入することはできません。